コンフォートゾーン
ひさびさに「コンフォートゾーン」という言葉を聞いた。コンフォートゾーンというのを初めて知ったのは、苫米地英人さんの本を読んだときでした。あの本の前半の内容は本当にすごく良いと思いました。
その中でも、一番興味深かったのが「コンフォートゾーン」です。本で読んでなるほどと思ったのですが、現実でもそんなことがあるのかなあと、ベンチャービジネスをやりながらまわりをよく観察していると、そういうのって本当にあります。
「コンフォートゾーン」というのは、いごこちがよい状態のことです。例えば、テストで90〜100点をとるのが当たり前の子はそれがコンフォートゾーンだし、60点くらいの人はそれがコンフォートゾーン。ほかにも、目立ちたがりの人は、みんなの前で喋っている状態がコンフォートゾーンでしょうし、目立ちたくない人は目立たずに聞いているというのがそうなるのでしょう。
しかし、それ以上に実はもっと複雑で「学閥」みたいなやつもいってみればコンフォートゾーンなのでしょう。社会的に同じようなステータスが群れるのもそういうものだと思います。
しかし、コンフォートゾーンの恐ろしいところは、本人の現在の実力からコンフォートゾーンが決まるのではなく、最初にコンフォートゾーンありきでそこに合わせて脳が能力を発揮していくというところです。
これ、本当にあるとおもいます。
逆に、かなりリアルな心当たりがあるのでぞっとしました。
例えばですが、世の中には、大きく分けて2つの会社があります。
タイプA
- ある意味無計画な自転車創業。お金に関しては透明性がない。
- 会社内でマネジメント不在。こまったら、全部安い給料で長時間従業員に働かせて解決。
- 苦労したやつがえらい。
- 優秀なやつがいないので、そういう奴に合わせなくてよいので気が楽。気分的にトップになれる。
- 給料も安いが責任もないのでプレッシャーもない。
- 困ったときは、みんなで「しかたないよなー」といってそれですませる。
タイプB
- 超計画的。お金に関しても透明性がある。
- マネジメントがきちんとしていて、責任範囲や予算管理などもきちんと出来ている
- 結果を出した人が偉い。苦労しても結果がでなければ評価されない。
- 優秀な人が多いので、彼らと波長が合わないと、場に居づらい。
- 給料と責任がきちんと対応しているので、ある程度のプレッシャーはある。
- 困った時には、責任を持った人がきちんと責任を取る。なあなあで済ませない。
うえの2の会社があるとして、僕は明らかにBタイプがコンフォートゾーンです。逆に、Aタイプの環境にいると不快感を感じるので、Bタイプの環境を作ろうとします。逆に、この環境が実現するまで脳力が自然と発揮されると思います。
逆にタイプAの人は、タイプBの中が居心地が悪いので排除しようと思います。タイプAの人はタイプBの人と付き合う事があってもどこかで「本当にこのままやっていけるのか」と不安なはずです。また、居場所がタイプBに傾き始めるとそれを無意識のうちに止めようとする作用が働くというのはあるとおもいます。
具体的には、
- タイプBの人がビジネスに参加するのを拒んだり、嫌がる
- 商談が成立した時にタイプBの会社になることが必要になると思うと、商談の詰めを頭で考えられなくなる(人任せになる)
などです。これは、意識して行っているというより、無意識に行っているケースがほとんどです。「成功するために良い人をスカウトしなくてはいけない」「商談の詰めで出きることを自分から考えて積極的に詰めていかないと成功できない」なんてことは分かっているわけですし、儲けたいとか成功したいという欲求はあるのです。コンフォートゾーンと欲求はまた別なのです。
でも、コンフォートゾーンってたまに変わるんです。僕も、一時期タイプAになりかけた事がありました。それは、自分に自信を失ったときです。タイプAがコンフォートゾーンになってしまうと、本当にやる気がなくなるといいますか、脳が思考するのをやめちゃうんです。考えようとおもったり、やらなきゃだと思ってもなぜか脳が働いてくれない。
今考えてもぞっとします。成功したいとか稼ぎたいとか欲がないわけではないのです。欲によって方向性がきまって〜をしなきゃとなるわけですが、脳が思考停止してしまいます。
でも、ここから抜けるのに良いのは、元のコンフォートゾーンをもった人にあうこと。そうすることで僕はもどりました。でも、よく考えると、コンフォートゾーンは変わっていないのかも。ただ、一時的に疲れただけでコンフォートゾーンへ突入する現実味が一気に増したからチャンスを逃さないために脳が活性化されただけかも。
よく、パートナーを選ぶときにはどうこうというのがありますが、僕はこの「コンフォートゾーン」というのもかなり重要だとおもいます。これが合っていると、すごいペースでビジネスが進化しますし、これが違っていると本当に両方が不幸になると思います。