営業関連の職域をPG、SEに例えると

我々、ITのプログラマーには、プログラマー、SE、プロマネとかそういう職域が存在する。これと同じように、営業にも職域が存在するのだ。でも、この辺、ぜーんぶひっくるめて日本の場合だと営業といっているから、「営業は出来る人から出来ない人までいろいろだ」となるのだとおもう。


御用聞き
とりあえず、人からいわれたとおり人にアポを取ってあい、言われたとおりに資料を見せる。
自分自身で人脈を作ろうとかそういう気はない。
あるいみ、プログラム業界だとコーダー。
「販売テクニックのある営業」に使ってもらうと仕事がとれる。競合はインターネットの広告。


販売テクニックのある営業
マーコムが用意したネタをつかってそれにマッチした顧客を探すのがうまい。資料も自分でつくったぽく見栄えをよくするのもうまい。でも、詳しく理解はしていないので、独自の商品を思いついたり、独自の資料をつくったりすることは出来ない。(くわしく、内容をおおざっぱに説明してあげれば、大枠に関してはつくれる)

業務知識や専門知識はない。そこは、技術者まかせ。なので、リスク面を考えた高度な見積りとかはできないので、見積りがシステム化出来ない場合は技術が分かる人が見積りを書いてあげよう。

法人営業に関しては、糸口を見つけるのは非常にうまいが、事業プランとして具体的な契約レベルまで落とし込むようなクロージングは無理。
(理由は、技術評価、見積り、障害が出てきたときに代替案が出せない)


マーケティング・コミュニケーション(マーコム)
技術や業務知識を専門知識を理解している。それにくわえて

  • 技術の(ビジネス上の価値の)評価が出来る
  • 対象となる顧客像がわりだせる
  • 相手の予算感をみて見積りを提示したり法人営業で提携などの契約をクロージングできる
  • 販売テクニックのある営業が動けるところまで説明できる

が最低条件。

日本の企業では、マーコムがあるところはほとんどないです。でも、海外だとセールス関連の職だともっとも高く評価される(いっぱいお金がもらえる)職業です。

外資系企業の場合、マーコムは技術系出身者以外はなれません。営業からマーコムになるのは、必要となるスキル上無理なんです。大体は、マーコム候補はサポートエンジニアをやらされて、フィールド営業やらされてマーコムになります。フィールド営業では普通の成績をあげればOKですが、サポートエンジニア時代には技術者として相当優秀であることが必要です。(逆にそこで目をつけられないと、マーコムへのキャリアパスを用意してもらえません。)


日本の市場で、技術者が起業する時に営業に関して悩む人が本当に多いとおもう。技術者が起業で営業がねっくにならずに起業するためには、マーコムのスキルが最低限必要です。逆に、マーコムのスキルがあれば、技術者は物作りができるうえに、法人営業のクロージングでより確実にチャンスをものに出来るため、起業は本当に有利です。


技術者社長が間違えてもやってはいけないことは、ちょっと営業がうまくいったくらいで「販売テクニックのある営業」と同じ気にならないこと。日本の社長のほとんどは、「販売テクニックのある営業」なので、これは陥りやすい罠です。

しかも、彼らは、日々販売テクニックを磨いてきたわけです。彼らと販売テクニックで勝負するということは、逆に言えば彼らが我々技術者とプログラミングで勝負するのに等しいことです。


あともう一つ、絶対にやってはいけないのは、「販売テクニックのある営業」に営業を丸投げすること。技術者の社長だと会社がちいさいうちは、マーケティングして作ってみたいになりがちで、「ああ、ここを全部まかせられたら開発に集中できるのに」と思いますが、ここでマーケティングごと丸投げしたら本当におわります。それ以前に、自分でやるハメになります。

しかも、経営方針も絶対にあいません。マーコム主導の経営方針と営業主体の営業方針は水と油です。場合によっては、マーコムはきちんと出来ると超強力ですから、相手に不要なプレッシャーをかけてしまったり、お互いの利害関係が合わなくなって決裂する可能性もあります。そういう場合は、「本来、技術者だから営業はいいや」とおもって営業やマーケティングを放棄するのではなく、「マーケティング・コミュニケーション」を意識して、その作業を最後まで一緒に行ってくれる人をスカウトすると良いとおもいます。
(ここは、販売テクニックよりも自分にない専門知識をもった現場よりな人を選ぶとうまくいくとおもいます。)


技術者社長の場合は、組織を拡大するときには、営業を取るのではなく、まずは技術者(もしくは運用のプロ)と組むべきです。雇用するか、良い法人と提携するのが良いです。それが必要になって始めて組織にすべきです。最初に増やすのは営業ではありません。我々、技術者社長の場合は。

そうでない場合は、営業を人頼みにするのではなく、マーコム主体の営業を考えてもっと、自社の売りや商品の方向性をブラッシュアップすべきです。

ただし、ブラッシュアップといっても細かい機能をぐたぐた付け足すとかそういうことではありません。もう一度、世の中の需要をゼロベースで感じることが重要です。そしてもう一つ大事なのが、完璧を求めすぎずに若干の勇気をだすこと。誰しも、自分の未知の領域に手を出すのは不安です。でも、自分の現在持っている技術とシナジーがあるものであればあえて手を出してみましょう。

とても勇気がいりますし、いきなり完璧なものはつくれませんが、きっと、いろいろと助けてくれる人が出てくるはずです。

正直、ここ2、3か月前くらいまでは、うちもそこが足りませんでしたが、今回、Open-ECommerceに本格的な倉庫管理の機能を付け出して状況が本当に一変しました。
(制作状況は、今はまだα版くらいです。これからいろいろテストします。)


マーケティング・コミュニケーション」は、本当に強力です。マーケティングが成立した商品を持つことで、「販売テクニックのある営業」の人がびびるぐらい営業力がつきます。技術者は、やはりせっかく物作りが出来るわけですから、一貫してマーケティングで勝負すべきだと思います。

そうすることで、「販売テクニックのある営業」の人の人脈もたくさん出来ていきますし、彼らの役に立ちつつ、自分も助けてもらえると思いました。