技術者の価値
もう、10年くらい前になるでしょうか。僕の尊敬する数少ないエンジニアの人が言っていたのを思い出します。その人は、ソフトウェア専門でなく、RISCプロセッサの開発をしている人でしたが、ソフトウェアでも何でもできてしまう人でした。
その人曰く、技術者の価値とは
- 顧客にきめ細かくサービスが出来る
- 納期を守る
- 一つのことを辛抱強く長く続ける
ではなく、「変化に対応できること」に尽きるそうです。
今考えてみて、本当にそうだなあと思います。一般的と思われている3つの条件はあくまで、下請けや下働きとして重要な条件であって、この要素が技術やその技術で作られた商品を売っている会社の経営に与える影響は、実を言うとそこまで大きくないとおもいます。
でも、「変化に対応できること」が他社より素早く反映された商品は、普通では取れないような契約が取れたり、経営に及ぼす影響が甚大です。
上から押し付けられた納期なんて関係ないのです。競合他社より早いタイミングで需要のある変化に対応した商品が出せればいいのです。
お金に直接ならない研究開発だってよいのです。次の市場の変化にすぐに対応できる要素の一つになれば。
そういうことを考えつつ、技術者を使える経営者が日本には何人いるのでしょうか?おそらく、ほとんど絶滅状態とおもいます。そういう意味で、日本は技術者にやさしくない国なのだとつくづく思います。