ブルーオーシャン作戦では甘い。

はっきりいって、Seasarブルーオーシャン作戦では生き残れないとおもう。
それは、なぜかというと、Seasarというのは、ユニークなテクノロジーそのものではなく、テクノロジーの使いかた指南だからだ。


なので、以前、はぶさんの日記で

2年くらい前かな〜、Mayaaが出てきた当初にまさたかさんとひがさんに「HTMLとSQLだけでいいじゃん」という話をしたんですよ。サーバサイドロジックはRhinoJavaScriptにしちゃって、Webでお約束の三種の神器だけで開発できちゃう環境が欲しい、と。S2Daoの売りは2way-SQLなんだし、と。華麗にスルーされちゃったんですけど(w

とあるが、このスルーは実は正しい。非常に英断である。
なぜならば、Seasarというのは、ユニークなテクノロジーそのものではないので、ベースとなっているテクノロジーの路線を踏み外すことはできないからだ。もし、その路線を踏み外したとしたら、ベースとなるテクノロジーが路線を変えたときに大変なことになる。また、ベースとなるテクノロジーにとって足りない部分を、Seasarという上位レイヤーで無理矢理解決すると、「本当は、それ、もっと下位のレイヤーの技術でやるべきだよね」という問題が発生し、ベースとなるテクノロジープロダクトがそれに対応したときに混乱を招くことになる。


Seasarは、ある意味、技術の営業系プロダクトとしては優秀だとおもう。
例を示せば、ClassLoaderやHotデプロイなんかの話もそう思う。Hotデプロイなんて最初のほうでやり出したのはJBossだ。最近はTomcatなんかもやってるし、Eclipseプラグインで、JDBCドライバを動的に読み込むものもこの技術を使っている。実は、この辺の仕組み、Java言語環境のとても優れた点なのだ。EJBなんかも、このテクノロジーに支えられているといってしまっても過言ではない。ただ、この優れたテクノロジーを普及させる手段としては道を誤ったのではないかと個人的に思う。


Hotデプロイの実装は、実はJavaを使えばものすごく簡単なのだ。Javaがそのための基本部品を全部もってるから。ただ、そういうことにたいする知識がないから、みんなが使う機会がない。Seasarは「こういう機能のがあるのでみんな使おう」という、指南役の名人だ。



以前、Alinous-CoreとSeasarは競合でないと書いたが、一番の理由はここだ。Alinous-Coreは従来のベースとなるテクノロジーを一切無視している。それにたいして、Seasarは既存の技術を生かすことにフォーカスを当てているわけで、そもそも、比較されること自体がおかしいのだ。


話を元に戻すと、だからこそ、生き残るためにはSeasarブルーオーシャンでは甘い。それは、運命を自分でコントロールすることができる性質のものではない為、ブルーがだめになることもきちんと想定しなくてはならない。既存技術を無視すると言っても、Javaが捨てられないなら、思い切りが悪すぎるし、それをやることは、今までの蓄積を全部捨てることになる。そんなに簡単に方針は変えられないとおもう。


既存技術を無視したテクノロジーでうけるものを作ろうと思ったら、必要となる知識とスキルが全然違うのである。あれだけ沢山のコミッターに対して「そういうところに、一気に突撃しよう!!」と言ったところでみんながついてこないとおもう。(むしろ、スルーと言う英断)

もう、こうなったら、一番良い方法は、コミュニティーを使った人海戦術で、ブルー意外に、レッド、グリーン、オレンジ、紫、ぐんじょう色、どどめ色・・・・等など、沢山のいろのオーシャンに早い段階で張っておくのが一番とおもう。

名付けて、「七色のレインボーオーシャン作戦」だ!!